空港の紅茶17

今回インドから戻ってくる時、本当にたくさんうまく行かないことが起こった。チケットに載っていた情報が全部間違っていたのだ。便名はインド航空101便だった。午前2時15分離陸のはずだった。ポンディチェリーから、友達がマドラス空港に9時に連れてきてくれた。出発の5時間前だ。ところがインド航空のカウンターに行きチケットを見せると、「このチケットは101便と書いてあるでしょう。これは401便ですよ。101便はもっと後のフライトです。」と言われた。

401便に乗るために、乗客がたくさん集まってきていた。夜11時に出発した。11時半頃またカウンターに行った。「今度は教えてください。もう1便の方は、何時に到着するのですか。」

「もう全部おしまいですよ。11時にボンベイ行きの飛行機が出ました。401便です。便名がボンベイで101便に変わるんですよ。」

その日の責任者に話しに行った。彼女は自分たちの責任ではないという姿勢をくずさなかった。そして、「明朝、ボンベイ発ロンドン行きのフライトがもう一便、7時15分に出ます。でもそれには乗れません。ボンベイに時間までに着けませんから。ここからロンドンへの直行便に席をお取りします。明日の朝また来て下さい。7時半発です。」

なんてことだ、空港でもう8時間も待たなきゃいけない。時おり眠気覚ましに紅茶を買いに行った。随分濃い紅茶だった。もう本もみんな読み終わってしまった。「新聞でも2、3紙買うか。フライトは7時半だから、4時半には行っていた方がいいな。」と独り言を言った。実際は、もうそこに来ていて、カウンターのすぐ近くで読んだり動き回ったりしていた。列の一番前に並びたかったのだ。

4時半にはカウンターに並んでいた。5時ごろもう1人やって来たのだが、チケットのチェック係と友だちだったようで、この人が先頭になった。それから、空港税を払わなければならなかった。空港税徴収係の男はぐっすり寝入っていた。ずっとノックし続けたら、やっとブースを開けてくれた。

払う段になったら、インド貨幣が足りないということに気づいた。300ルピー必要だったのだが、手元にあったのは米ドルの100ドル札だけで「頭がおかしいんじゃないか? こんなに払ってどうするんだ?」と言われた。

「ルピーがないんだ。」と答え、バッグの中を探して探して、50ドル札を見つけたが、それでも多すぎた。また探して20ドル札を見つけて、やっとお釣りをもらえた。

空港税を払うと、「さて、あとどのくらいの時間か神のみぞ知るだが、目を開けていなきゃならない。また紅茶を買いに行ってこよう。」と独り言を言った。

ところが今度は紅茶売りの男がぐっすり寝入っていた! 邪魔したくなかったので、搭乗のアナウンスが流れるまで待って飛行機に乗り込んだ。


TCE 24. 1995年9月