ティーバッグの不思議

1964年にアメリカに来た。飛行機に乗ったのは初めてだった。1人だった。半分この世界、もう半分は別の世界にいた。ある時点でスチュワーデスがお湯の入ったカップを持ってきてくれた。横にはティーバッグが置いてあったので、袋を破って中身を全部カップに入れた。すると、中に入っていた小さな小さな茶葉がみんなカップの中で泳いでいた。カップは茶葉であふれそうだった!

私の愚かぶりはまだ終わらならなかった! スチュワーデスに文句を言ったのだ。もちろん彼女には、間違ったことをしたのは私の方だとわかっていただろうが、何も言わなかった。そのカップを下げると、お湯を入れた新しいカップを持ってきた。新しいティーバッグと一緒に。ティーバッグをお湯に入れると、お茶が出るまで持っていてくれ、それからその場を離れた。

スチュワーデスが紅茶を入れているのを見て、自分のした間違いに気づいた。