スワミ・ヴィヴェーカーナンダと毒入りコーヒー27

マニ・シャンカール・ムケルジーは非常に偉大なベンガル人作家だった。スワミ・ヴィヴェーカーナンダについて素晴しい本を書いている。ヴィヴェーカーナンダについて書かれた本はずっといろいろ読んできたが、シャンカールのこの本で初めて知ったことがたくさんあった。これは、シャンカールがニューヨークを訪れたとき私に直接してくれた話だ。

1893年のシカゴ万国宗教会議の後、スワミ・ヴィヴェーカーナンダは一躍世界の有名人になった。しかしここアメリカでは、宗教的狂信者で彼に大きく反発した者もいた。いたるところで彼を中傷し、評判をがた落ちにしようとしたのだ。

ある時ヴィヴェーカーナンダと彼を敬愛する6、7人が、とある名の知られた女性の家に招かれた。食事をしながら、皆で「よもやま話」をずっとしていた。スピリチュアルなこととは何の関係もないことだ。世間話の第7天国にいたというわけだ。

家主が来て、みんなに聞いた。「それでは、コーヒーはいかが?」ヴィヴェーカーナンダは時に1日20杯も紅茶を飲んでいた。シャンカールが言うにはコーヒーも何杯か飲んだそうだ。ヴィヴェーカーナンダの友人も弟子もみな紅茶、コーヒーを飲んだ。

この日はコーヒーが出された。皆が飲み始めた。ヴィヴェーカーナンダもカップを持ち上げ口へ持っていくと、自分の師、シュリ・ラーマクリシュナがはっきりと見えた。「ナーレン、やめなさい、やめなさい! 毒が入っているぞ。」

狂信者たちが料理人を買収して、ヴィヴェーカーナンダのカップの中に毒を入れさせたのだ。他の人もコーヒーを飲んでいたが、何も起こらなかった。しかしヴィヴェーカーナンダのカップを調べてみると、確かに中に毒が入っていたという。その時シュリ・ラーマクリシュナはどこにいたのか? 天国だ。

これが師の、最愛の弟子に対する愛だ。シュリ・ラーマクリシュナはヴィヴェーカーナンダが飲もうとするのを直ちに止めさせた。さもなければ命がなくなっていたところだった。こういう狂信者というのは本当に冷酷だから。


TCE 34. 2004年1月21日