第十場
[ナザレ。数年後。ヨセフ重体。マリアが看病している。]ヨセフ: マリア、イエスに私の病のことは知らせてくれたかい?
マリア: ええ、二ヶ月前、あなたの体にこの病が入り込んだ時に。あなたの病気のことをイエスに知らせてくれるよう、インド行きのキャラバンに頼みました。
ヨセフ: キャラバンがインドに到着するのに、どのくらいかかる?
マリア: 少なくとも三ヶ月は。
ヨセフ: 何だって! じゃあ、たとえイエスが私の病の知らせを受けて、インドを発ったとしても…
マリア: もちろん、イエスはあなたが病気だと知ったら、すぐに帰ってくるわ。
ヨセフ: だがな、きみ、イエスがここまで帰ってくるのに三ヶ月もかかるんだぞ。わかるだろう、私のこの世での時間はもう長くない。
マリア: そんなことないわ。最愛の息子が帰ってくるまで、この世に留まらなくてはだめよ。
ヨセフ: もちろんそうしたいさ! だが私の人生の船はもう沈もうとしている。イエスよ、我が最愛の息子よ、父の船は沈みつつある。だがおまえの船はもうすぐ、身を切る地球の激痛の岸辺と、増え続ける天国の歓びの岸辺の間を、行ったり来たりするようになる。おまえの紅白の船が、超越し続ける「彼方」の我が岸辺に向かって進んでいくのを、父は魂の限りなき誇らしさで天から見ていよう。イエス、我が息子よ!
[ヨセフ、目を閉じ、亡くなる。]
Sri Chinmoy, 神の子 イエス・キリスト, Sky Publishers, New York, 1973