Part XII

CSC 98. 1988年12月16日、シュリ・チンモイは香港で「ホンコン・トゥデイ」の記者ニック・ベイリー氏にインタビューを受けました。

質問: お話を伺う前に、フルートで一曲お願いできますか。

[シュリ・チンモイがフルートを演奏する。]

質問: それは今即興で作られたものなのですか。

シュリ・チンモイ: そうです。

質問: 御自分のことを教えていただけますか。昨日香港にいらして、これは東南アジアツアーの一環だと聞いています。そして「ひとつの心で世界を持ち上げる」というプログラムを行っているということですが、どういうものなのか説明していただけますか。

シュリ・チンモイ: 私は真実の探求者であり、神を愛する者です。人類に奉仕するのは私の絶対の義務だと感じています。「ひとつの心で世界を持ち上げる」は我々のテーマです。心に平和があれば、人類の意識を向上させることができると感じています。この世界は創造主たる神のもので、と同時に創造主たる神は創造物たる神にもなりました。ですからいろいろな所へ出向き、その国の皆さんに魂からの奉仕を捧げようと試みています。

質問: それは貴方が内側から得ているメッセージなのですか。

シュリ・チンモイ: そうです。インナーパイロットから得ています。誰でも何かに導かれているものです。一番よくあるのはマインドに何かをするよう言われ、その命ずることに従います。しかし規則的に魂から献身的に祈って瞑想すれば、ハートの声を聞くことができます。私の場合、そのようにハートの声に耳を傾け、世界と分かちがたい一体感を確立しようと試みています。

質問: この番組の視聴者の中には少々理解し難い、あるいはどういう目的なのだろうと思う人もいると思うのですが。

シュリ・チンモイ: この世の中は誤解で満ちています。私の目的が誠実で本物なのかどうか、神にしか判断できません。私の考え方を広めにきたのではありません。人類に献身的に奉仕するために来たのです。同じように献身的で先進的な奉仕をするため、世界の多くの場所へこれまでも出向いてきました。

この「世界を持ち上げる」プログラムはつい最近始まったばかりです。まだ1年にも満たないでしょう。この3年間ただ体を鍛えるためにウェイトリフティングをしてきました。以前はランナーだったのですが、膝のひどい負傷をのため断念しました。そしてウェイトリフティングを始めたのです。神の恩寵で素晴らしい成果を上げることができ、ここ6カ月間は人を持ち上げるということをしています。

一人一人に身体、バイタル、マインド、ハート、魂があると信じています。そしてある人をリフティングしている間、その人に献身的に奉仕していると感じます。献身的な奉仕で、持ち上げられた人自身の神聖な資質を前面に持ってくることができると感じています。これは皆で一緒に世界を持ち上げるため、最も重要なことです。

質問: どのような人たちをリフティングされてきたのですか。

シュリ・チンモイ: あらゆる分野の方々をリフティングしてきました。国連の外交官、大学教授、ボクサー、歌手、アスリート、ウェイトリフター、聖職者、修道女、医者、弁護士などです。

質問: 貴方の体重はどのぐらいですか。

シュリ・チンモイ: 普通は151から157ポンド(約68〜71キロ)の間です。

質問: 今までリフティングした中で一番体重が重かった人は誰ですか。

シュリ・チンモイ: カリフォルニアでサクソフォン奏者の大御所クラレンス・クレモンズをリフティングしました。「ビッグマン」でお馴染みで、283ポンド(約128キロ)でした。

質問: ほとんど御自分の体重の2倍ですね!

シュリ・チンモイ: そうです。そして昨日ここ香港で写真家の方を2人同時に持ち上げました。2人の体重の合計は265ポンド(約120キロ)でした。

質問: ところで、リフティングは片手でされるという事ですね。どちらの腕でなさるのですか。

シュリ・チンモイ: 左腕でも右腕でも行います。どちらも同じ位の強度です。

質問: 片方の腕で自分の体重の2倍ある人をどうやって持ち上げられるのですか。

シュリ・チンモイ: 神の無限の恩寵が私の中で私を通して働きます。若い時は、ウェイトトレーニングなど全くしませんでした。短距離と十種競技の選手でした。この人生ずっとランナーでしたが、3年前新たに、ウェイトリフティングを始めました。他人と競争はせず、自分自身と闘うのを楽しんでいます。初めは40ポンド(約18キロ)でした。3年前は40ポンド持ち上げるのもほとんど不可能なことでした。そして段々と、ゆっくり、着実に、確実に進歩し、今はこのレベルまで来ました。

質問: 貴方にリフティングされた人たちは、駄洒落みたいですが、持ち上げられるような経験をするのですか。リフティングされた後は前よりずっと気分が良くなるのですか。

シュリ・チンモイ: 中には「肉体の領域だけでなく内的な領域でも持ち上げてもらえました。」と言われる人もいます。6ヶ月位前にフィラデルフィアから修道女の方が参加しに来てくださいました。彼女をリフティングすると、「体も精神も両方持ち上げていただく経験でした。」と言われました。そしてこれはリフティングの後で本人から伺ったのですが、興味深いことに、その日の彼女のホロスコープは「誰かが肉体的にも精神的にも持ち上げてくれる。」と出ていたのです。それではるばるフィラデルフィアからニューヨークまで来てくださったのです。

記者: その方にとって良い経験で良かったですね。今日これから香港でリフティングされる皆さんにとっても同じように良い経験になることを願っております。シュリ・チンモイさん、どうもありがとうございました。「ひとつの心で世界を持ち上げる」のご成功をお祈りします。