質問: つまり、愛と英知と科学を全部同時に前面に持ってくる必要があるという意味ですか。
シュリ・チンモイ: そうです。この三つ全て、つまり自然への愛、内的英知、そして科学の発展全てを組み合わせないといけないと思います。そうすれば自然災害に対峙することができます。内的英知は愛に他なりません。一体感の感覚です。誰かを心から愛していたら、その人から傷つけられる事はありません。この世界はたった一つの家族です。貴方は私の妹で、私は貴方の兄です。全世界が大きな家族であり、兄弟姉妹で成り立っています。この家族の一人一人が世界全体に貢献できる独特のものを何か持っています。皆で平和の中に共に生きることもできれば、言い争いや喧嘩をして戦争を仕掛けることもできます。
このように我々のこの世界の選択肢は二つです。一つは友情、兄弟愛、一体感を確立すること。もう一つは征服または破壊しようとすることです。二つ目の方法をとると最終的には自分自身を滅ぼします。
人として皆が実際に求めているのは喜びであり、幸せであり、満足です。このような資質を得られるのは、自分を他の人たちとひとつに結びつけた時だけです。他の皆は自身の現実の延長でしかないからです。世界家族の他の皆と一体感を確立したら喜びが得られ、この喜びはずっと続きます。しかし力や権力を使ったり、手段を選ばず他人を征服しても、ずっと続く喜びを得ることはできません。
一つ目の方法は絶対に正しいやり方で、世界家族の全員と一体感を確立することです。もう一つのやり方は優越感の歌を歌うことです。自分は他人より強いことを証明しようとしたり、自分の方が強いと世界に知らしめねばと思う事です。これは間違った方法で、分断からではなく、ひとつになることでしか喜びは得られません。
自分自身を広げ、自らの翼を広げて世界全部をまさに自分のものとし、母なる自然を愛すると、その時得られる喜びはずっと続きます。そしてこの喜びには甘美さがあります。非常に優しい甘美さです。この喜びを私たちは切望しています。創造物の喜びです。
Sri Chinmoy, シュリ・チンモイとの対話, Agni Press, 2007