略歴

マエストロ イェフディ(ユーディ)・メニューインは1916年4月22日ニューヨークでロシア人の両親の元に生まれた。バイオリンの神童として、並外れた繊細さと奥深い解釈は世界を魅了。7歳でオーケストラ デビューを飾り、サンフランシスコ・シンフォニーオーケストラで演奏。その後、ニューヨーク、ベルリン、ロンドンでステージに立ち、間もなくレコーディングを開始。

アインシュタイン、トスカニーニ、バートック、エルガーそしてカザルスなど、時代の最も才能に恵まれた偉人らに温かく受け入れられた。アインシュタインがあるコンサートの後で楽屋を早々に訪れ、「これで、天に神がおられることがわかった!」と宣言したのはメニューインがわずか13歳の時であった。ヨーロッパがメニューイン卿の生活の基点となり、1966年英国より名誉爵位を授与される。1970年には名誉スイス国民となり、1985年には英国国民となる。

メニューイン卿は世界各地をツアーで回り、東洋音楽と西洋音楽両方の伝統を愛し各国で称賛される。1974年に伝説のインド音楽家ラヴィ・シャンカール(シタール)、アリ・アクバル・カーン(サロード)とレコーディングを幾つか行った。

1963年、音楽を学ぶ学生のためにイェフディ・メニューイン学校をイギリスのストーク・ダバノンに設立。また、グシュタード(スイス)、バース、ウィンザーで毎年恒例の音楽祭を始めた。

後年、指揮者としての仕事に没頭し、王立交響楽団オーケストラ、英国弦楽オーケストラ、アジア青少年オーケストラなど、世界最高峰のオーケストラで指揮。また、文化・チャリティー団体の活動にも何百と携わった。

音楽への貢献を讃えられ、多くの勲章、賞を授与される。主なものに、「国際平和と理解のためのネルー賞」(インド)、「イスラエル交響楽団オーケストラ三十周年記念メダル」、「王立交響楽団協会金メダル」、「芸術文化勲章」(フランス)、「ケネディーセンター勲章」(アメリカ)がある。1993年イギリス女王によって、貴族の称号を授与。

音楽とバイオリン演奏に関する著書多数で、自叙伝「終わりなき旅」(原題: _Unfinished Journey_)は非常に感動的である。

1999年3月12日ベルリン没。ワルシャワ・シンフォニーオーケストラで指揮を取っていた予定であった。享年82歳。