質問: あれだけのウェイトを持ち上げられたのですから、随分疲れておられるでしょうね。

シュリ・チンモイ: いえ、全く疲れていません。もっと何人でも持ち上げられます。

質問: 幸せですか。

シュリ・チンモイ: 私は人類に奉仕することで喜びを得ます。一人一人が独特の方法で人類に奉仕しています。今貴方はこのプログラムを録画されていますね。私たちのしているこの対話からインスピレーションを受ける視聴者の方たちが何千人といることでしょう。貴方の非常に意義深い質問に対し、私の内的覚醒から出来る限りの答えをしようと試みています。ですから今行っているこの会話は間違いなく、真実、光、至福を切望する人々の助けになるでしょう。

質問: こんなことを言って申し訳ないですが、貴方はウェイトリフターらしくありませんね。

シュリ・チンモイ: そうですね、全くその通りです! 私の場合全てが神の恩寵です。ウェイトリフターの体格はしていません。以前はランナーでした。リフティングのことなど考えたこともありませんでした。しかし今は、ウェイトリフティングを通じて神を体現できるよう多くのことをしなさい、と慈悲なる神に言われたのです。

質問: 他の人も瞑想すれば貴方のようにリフティングができるのでしょうか。

シュリ・チンモイ: もちろんです! それが神の意思ならば、誰だって簡単にウェイトリフターになれます。

質問: どのぐらいの頻度で瞑想されるのですか。ずっと瞑想しているのですか。

シュリ・チンモイ: 夜中に何時間も瞑想します。世界中に生徒が数千人いるので、ほとんどその生徒たちに瞑想しています。子供の時からずっと瞑想をしてきて、今は自動的にできるようになりました。ですから慌ただしい生活の中でも、自分の奥深くでは瞑想が続いていると感じます。

質問: リフティングをされている間、何を感じているのですか。

シュリ・チンモイ: リフティングをしている最中は、神の聖なる慈愛が私の中で私を通して流れていると感じます。そして自分は完璧な道具になろうとします。神が私の中で私を通して働いており、その完璧な道具になろうとしています。リフティングの最中、行為者は私ではないと感じます。私はただの道具です。内的な力、パワーが私の中で私を通して働いていて、それを前面に持ってこようとします。

質問: 貴方のされているウェイトリフティングを信じ難いと感じている人はたくさんいると思います。

シュリ・チンモイ: 私も人間的マインドで考えると信じがたいです! 一方でこれは自分がしていることではないとわかっています。無限のエネルギーが私の中で私を通して働いているのです。このように思うとマインドを静寂にすることができます。

質問: ウェイトリフティングを始めてどのぐらいになるのですか。

シュリ・チンモイ: 4年前に始めました。しかし人をリフティングしているのはここ1年ほどです。

質問: もちろんランナーでもあられるわけですね。

シュリ・チンモイ: 元は短距離走をしていました。そして長距離を走るようになりました。短距離の時代は、インドの水準ではかなりのレベルでした。しかし世界水準から言うと全然大した事はありませんでした。ここ西洋では、フルマラソンを22回、ウルトラマラソンを2回完走しました。その後右の膝を痛めたため、もう走ることができず、ランニングは断念しました。体を鍛え健康でいたかったので、ウェイトリフティングを始めました。

質問: 主宰されているランニングのイベントは世界中で素晴らしい盛況ぶりですね!

シュリ・チンモイ: 内的な走りも外的な走りも奨励しています。二つは共にあらねばなりません。善い考え、善い内的思いがあると、それは内的な走りです。そしてその感情を外的に表現し、その善い思いを他の人と分かち合うと、それは外的な走りになります。外的な走りは常に奥深くから始まります。

質問: 実はもうすぐ30キロレースに挑戦するつもりなのですが、何かアドバイスをいただけませんか。

シュリ・チンモイ: かつて長距離を走っていた時、全部の距離を考えるのではなく、その総距離を部分部分に細かく分けていました。例えば貴方の場合なら30キロです。その距離が何キロあろうと、「そんなに長い距離は走らない。」と想像するのです。1マイル(約1.6キロ)走ることになっていたら、その4分の1を走るのだと思います。そしてマインドに「長距離を走るなんて、まさか! ただ4分の1マイル走るだけだ。」と言い聞かせます。そして4分の1マイル走ったら、もっとエネルギーがあるのがわかるでしょう。

このようにしてマインドをごまかし、律するのは常に良いことです。そうしないと、マインドは余計なプレッシャーをかけてきます。走り始める前に心配と不安で一杯になってしまいます。

しかしマインドに策を講じて、「自分の能力に充分できることをしているのだ。」と賢く言い聞かせることができたら、マインドの重荷を取り去ることができます。そうすれば不安も心配もなくなります。