大きな賞品

 また災難があった! ザトペックにはクラブから、そして私たちからもとても素敵な良い品を贈呈するはずだった。でもなぜか手違いがあり、贈呈しようと思っていた賞品が時間までに届かなかった。

 弟子たちが持っていたのはこれ以上ないほど小さなメダルだった。

「どうしたらいいんだ?」と言うと、アバリタは、

「どうしたらいいでしょう。それなりの品を贈呈しなかったら、どう思われるか。」

そんなに小さかったら変だと思われる、というのが弟子たちの考えだった。そこで、とても大きなチョコレートを紙に包んで、その上にメダルを乗せた。  しかしその夜、この埋め合わせにザトペックに彼が好きな、とても大きなカッコー時計など、非常に良い品を贈呈できた。あとで、最初贈呈した品は全部その場しのぎだったと伝えた。他にどうしようもなかった。何千人もの人が見ていたのだから。

From:Sri Chinmoy,挨拶(1〜4), Agni Press, 1981
https://ja.srichinmoylibrary.com/slt_1 より転用