ローマ法王との謁見

 スピーチが終わると、個別謁見の時間になった。私の前には黒人の司祭が3人か4人並んでいた。ローマ法王が近づくと、彼ら全員が膝まずき法王の指輪にキスをした。

 法王が私の方に来られたのですぐに起立すると、枢機卿の1人が「国連のシュリ・チンモイさんです。」と紹介した。

 私はサナタン(製作)の記念盾を法王に贈呈した。本当に美しい盾だった。法王についての歌が記された小冊子も添えた。記念盾と小冊子を手渡すと、

「国連からいらしたのですね。」と言われた。

「はい、そうです。」

「インドの方ですか?」

「はい。」

すると、「インド、インド、インド!」と本当に喜びと熱意を込めた表情で言われた。実に完全に喜びに溢れていた。

 法王は力強く私の肘をつかみ、愛情を一杯込め、まるでずっと忘れていた古き友、あるいは孫息子であるかのように私を見つめられた。私をしっかりと掴み、話しかけてこられた。そして愛情を込め肩を7、8回軽く叩いてくださった。

 そして、「貴方のメンバーの方々に特別なご挨拶を送ります。特別の祝福がありますように。共に続けてゆきましょう。」と言われた。

 交わした言葉の数は少なかったが、記念盾を感心してご覧になり、時間を取ってくださった。「我々の最初の10年」と題された国連の小冊子に載っていた、前法王と一緒に撮影した写真もお見せした。法王はその写真と、御自分についての歌が収められた小冊子も御覧になっていた。

From:Sri Chinmoy,挨拶(1〜4), Agni Press, 1981
https://ja.srichinmoylibrary.com/slt_1 より転用