イタリア人の写真係

 ローマ法王に謁見しに行く時、イタリアの弟子ジョルジオに一緒に来るよう招待した。英語も、フランス語さえ話せない弟子だ。私の方もイタリア語ができないので、微笑みで会話した。他の言語は何もわからないが、「微笑」語だけはお互いにわかる。

 ジョルジオは私に付き添って写真を撮ることになっていた。理由は先代のローマ法王の時に問題が起こったからだ。パウロ4世に初めてお会いした時は、良い写真が撮れた。2回目はバチカンの写真担当が撮ったのだが、何も現像されなかった。3回目は、バチカンの写真担当がやってきて、何枚写真が欲しいか聞いてきた。しかしローマ法王に私が実際に謁見する段になると、その写真担当は部屋を出て行ってしまった。探したけれど、見つからなかった。

 今回は、ヨハネパウロ2世とお会いする訳だったが、念には念を入れたかった。1人付き添いを連れて行っていいことになっていたので、友人そして教え子ということでジョルジオが一緒に来た。イタリア語が話せたから、という理由もある。

From:Sri Chinmoy,挨拶(1〜4), Agni Press, 1981
https://ja.srichinmoylibrary.com/slt_1 より転用