ザトペックのグル

 そのあとで我々のダイニングに行き、エスラージを10分か15分ほど演奏した。ザトペックも奥さんも本当に熱心に耳を傾けていた。ザトペックについて書かれた本に、以前彼はギターを演奏したと書いてあったので、ギターを弾いてもらえるか聞くと、ギターを手にし、2、3秒奏でただけで奥さんに手渡し、

「妻の方が演奏するんです。」と言った。

 奥さんはギターを手に取り演奏してくれた。1、2曲歌ってくれるよう2人にお願いしたのだが、嬉しいことに、1、2、3、4、5、6、7、8曲も歌ってくれた。ずっと歌い続けてくれたのだ。お二人と私には共通点があると言える。私も歌うように頼まれると止まらない。

「私たちが歌うのはスピリチュアルな歌ではなく、フォークソングです。」と言い、いろいろな言語で何曲も歌ってくれた。

その時のテープがある。とても良いものだ。2人とも素晴らしい歌声の持ち主だ。奥さんがギターを奏でザトペックが歌った。そしてある時点でザトペックに演奏して貰えないかもう一度頼んだのだが、聞いてもらえなかった。

「いや、貴方がお弟子さんたちのグルであるように、妻が私のグルなのです。」 ザトペックは「グル」と言う言葉を何度も使っていた。

From:Sri Chinmoy,挨拶(1〜4), Agni Press, 1981
https://ja.srichinmoylibrary.com/slt_1 より転用