マントラを繰り返し唱える時も同じです。サンスクリット語のシュローカや詞を唱える時もです。シュローカの意味を知った上で魂を込めて称える時、そこから最高の益を出ます。シュローカの意味を知っている学者はたくさんいますが、魂を込めて唱える事はしません。オウムのようにマントラを繰り返しますが、何も成果を得られません。それに対しシーカー(真実の探求者)は学者のようにシュローカに精通してはいないかもしれませんが、基本的な意味は知っていて、非常に心を込め献身的にそれに対し祈り瞑想するので、最高の成果を得ます。インドの聖典を学んだ者はたくさんいます。その人達は青は広大さ、赤は力、金は体現、白は純粋、緑は新鮮と躍動を意味する、と知っています。その事実は知っているのですが、その色に瞑想しないので成果を得られません。一方誠実なシーカーで、そのような意味を知らないまま色に瞑想する者もいます。この場合確実にその瞑想から成果を得ますが、もしマインドで意識してその色の意味を知っていたら、最高の成果を得ることができます。青い光を見たとしましょう。10日間あるいは2ヶ月ほども続くかもしれませんが、その間その経験があなたの意識を非常に高く広大なものにしてくれます。もしあなたの内的存在がインドのスピリチュアル・マスター(魂の師)であるシュリ・クリシュナと特別なつながりがあったとしたら、「主クリシュナの色は青だ。」と思うでしょう。自分を一体化することで、シュリ・クリシュナからすぐに何かを得ます。意識していようと、無意識であろうと。
弟子に対して言っておきたいのは、私はすべての色とすべての光を表すけれども、最も主要な色は青と黄金です。色が見えたらそれが何色でも、内的な成長のしるしだと感じてください。シーカーの中には、肉眼の視力が落ちてきて光が見える人もいます。私の兄が視力を失いつつあった時、赤青白の凄いヴィジョンが見えていました。この兄は家族の他のメンバーのようには瞑想していませんでした。かかった医者には眼科の専門医に行くようにと言われました。しかしこれはあなたには当てはまりません。全く違います。これは、意識して祈ったり瞑想したりしない人達だけの話です。
自分には全く関係のない光を見ることもあるかもしれません。睡眠または瞑想中に、あなたの内的存在が誰か他の人の内的存在とやり取りした場合、あなたに見える光は自分のものではなくその人の光です。
仮に瞑想中にあなたが娘さんと完全に一つになったとしましょう。娘さんに瞑想したわけではなく、スープリームに瞑想していたのに、あなたの内的存在の一つが突然娘さんと非常に親密なつながりを持ったのです。あなたの肉体のマインドは全くそれに気づいていないのですが。その時に緑の光が見えたら、緑は躍動と新しい創造を意味するので、自分の人生で何か新しい創造が始まったと思うかもしれません。自分が非常にダイナミックで新しくなるのを期待するでしょう。ところが次の日になってもまだ以前からの考えに苦しめられているのに気付き、「あの経験をした後でなぜまだ前からの考えの中にいるのだろう。これまでの人生の牢獄から出ることができない!」と自分を罵ります。残念ながら、この経験はあなた自身の内的人生ではなく、娘さんついての経験だということを知らないままなのです。
誰かとても近しい人がいる場合、その人と一体化することが非常によくあります。実際はその人の人生で起こる事を自分の人生で起こる事だと感じるのです。しかし瞑想中よく意識していれば、区別がつきます。自分に近しい人の光が見えたら、その人は何かを得ます。そして意識的あるいは無意識に喜びを得ます。しかしその人の光をあなたが見た経験を告げてあげたら、その人のマインドが自覚でき、最も大きな恩恵を得るでしょう。
目を閉じていた方が青い光をより早く見ることができると思うなら、どうぞ目を閉じたままで行って下さい。しかし光を見るのと、目を開けたままで私の神聖な意識と一つになるのと、どちらが最速に進歩できるのか見極めてください。青い光を見たらそれですべてを達成したと感じるかもしれません。しかし、何色であろうと光を見ることは究極の達成では必ずしもないし、最高の経験でもない、と言っておきましょう。弟子にとって一番大切なのは私の光と一体感を確立することです。私の意識と意識的に魂から一つになることよりも青い光に益があると感じるなら、それは間違いです。一方、青い光が自然と自分の所へ来たので、とてつもない進歩を遂げることができると思うなら、もちろん正しいことをしています。どうしたら最も早く成長できるのか、感じ方はその人によって違うからです。From:Sri Chinmoy,瞑想:神が話し、私が聞く part 2, Sri Chinmoy Lighthouse, 1974
https://ja.srichinmoylibrary.com/mgs_2 より転用